トロフィー選びのヒント
いい表彰文の作り方
投稿日:2016年01月06日
表彰楯や表彰状などの文言づくり――、意外と頭を悩ませる作業といえます。もちろんネットで検索すれば例文がたくさん出てくるので、それっぽくつくることはできます。でも! 正しいのか? ふさわしいものなのか? 実はもっと気の利いたオリジナル文言にしたいけれどいいのか? など、いろいろと気になりませんか? そこでこちらでは、ここをおさえておけば大丈夫という表彰文の基本をご紹介します。基本がわかれば、応用も簡単です。
基本作法
その1、句読点はなしでOK
句読点とは「。(句点)」「、(読点)」のことで、文章を読みやすくするための符合です。現在では、句読点をつけることが一般化されていますが、古来日本語では、句読点などの符合がありませんでした。明治時代に欧米の文化や習慣が取り入れられた際に、欧文の句読点である「,(カンマ)」「.(ピリオド)」から派生してきた、意外に新しい表記方法といえます。
句読点の採用は、文明開化の「なんでも西洋風」の流行にのったものともいえますが、やはり読みやすさを優先させたということが強いでしょう。ただ句読点には、文言への理解が及ばない部分を助けるという意味合いもあり、当時、句読点をつけることは失礼にあたるという考えがあったようです。そのため、敬意を表す表彰状や感謝状の文言にはあえて句読点をつけない慣習が根づき、今に至ります。
その2、文頭の1字下げをしない
句読点をつけない理由と同じで、文頭をわかりやすく表す1字下げについても、表彰文では行わないのが一般的です。形式一つとっても、敬意を表すという気持ちが込められているわけですね。
その3、本文の改行は1回まで
表彰文の本文は、文脈上の区切りがあっても行を改めずに書き続けます。「よって」「ここに」などの結びの文章に移るときに1回だけ改行をします。これは文章自体の見栄えを意識してとの説があります。現代でも書展などの作品に見られるように、文字自体を造形芸術として捉えているので、表彰文にも受け継がれているのかもしれません。実際に表彰文に句読点をつけてみるとわかるのですが、間延びして見えるし、改行を繰り返すとアンバランスになります。表彰楯や表彰状は飾るという目的もありますから、表彰文自体をデザインとして捉える視点も大切なのです。ただ、書体については達筆に見えるからといっても、行書体はやめておきましょう。行書体は簡略的な書体のため失礼になるので、表彰文には誠意を込める意味でも正式な書体である楷書体にします。
その4、表題と結びの言葉を一致させる
また、表題と主文の結びの言葉は、次のように一致させるとさらにいいでしょう。
賞状 ……「賞する」「賞します」、
感謝状 ……「謝意を表する」「感謝の意を表します」
表彰状 ……「表彰する」「表彰します」
文言を工夫してオリジナル性を
以上をおさえておけば、表彰文としての格式も見栄えも整いますので、表題や本文内容を工夫してオリジナル性を出すのもいいでしょう。表彰内容を端的に表す文言で、グッと気持ちを引きつける表彰文をつくってみてくださいね。難しそうという場合も心配いりません。トロフィー生活では、表彰品選びから表彰文のアドバイスまで専門アドバイザーがご相談にのります。どうぞお気軽にご連絡ください。